通話が切れてからもケータイを眺めるガヤに、楓は嫌な予感がしながらも恐る恐る聞いてみた。 「…イツキさん、なんだって?」 ふう、とガヤは肩で息を吐く。 「どういうつもりか知らねえが、とんでもねえこと言い出した」 なぜかその口元に苦笑が入り混じっている。 「とんでもないことって?」 長い間。 しばらくしてガヤは答えた。 「明日の朝。イツキとタイマンで勝負することになった」