B L A S T


メンバー全員の視線がイツキの背中へと向けられる。

揺れ動く、金の髪。

首筋の昇り竜を汗が伝う。

よろめきながらもその足はゆっくりと立ち上がろうとしていた。


「本当に止めても駄目なんスか」


とテツが消え入りそうな声で言った。


「…イツキがどういう奴か、お前だってよく分かってんだろ」

「…う…」


おれは嗚咽を漏らすテツの肩を慰めるようにポンポンと叩いた。


「泣くな。男だろうが」

「はい…」


テツは涙を拭くと、


「イ、イツキさん…!」


と叫んだ。

イツキがちらりとこちらに目を向ける。

テツはまた泣き出したいのを我慢しながら言った。


「負けたら承知しませんからね!」


それに続いてメンバーが次々と声援を送る。


「頑張ってください!」
「セイジなんかイツキさんの得意のケリでぶっ飛ばしたらいいんですよ!」
「おれらがついてますから!」
「必ず勝ってください!」


イツキと目が合った。

おれは躊躇いがちに小さく頷く。

すると、「口軽」とイツキの唇が動いたのが見えた。

しかし、その目は笑っている。


「ったく、恥ずかしいったらありゃしねえ」


カズががしがしと頭を乱暴に掻いている。


「セイジが“友情ごっこ”って言うのも頷けちまうよ。ここは運動会か」


だな、とおれは笑った。