も、もしかしてあれかな。 壁一面に大きく書き表した右上がりの、英文字。 それはぴったりと隣接した木の影でひっそりと隠れていた。 たぶんLに A… ロサンゼルス、じゃない。 まだ続きがある。 ≪まだか。早くしろ≫ 待ってよもう。 ガヤの急かす声に焦って文字がよく見えない。 えっとえっと。 LにA… それからS。 T… L、A、S、T。 LAST。 楓は無我夢中になって叫ぶ。 「ラスト!ガヤ、ラス―――――――――――――」