B L A S T


身に覚えのないおれは首を傾げた。


「何の約束だよ?」

「昔ここで誓ったろ。今のBLASTを立ち上げた時だ」


ふいにあの時の情景が走馬灯のように脳裏を過ぎった。

それは三年前のことだ。

先代BLASTが解散し、総長の座を受け継いだイツキが新しくチームを立ち上げたのが今のBLAST。

ここでおれらは誓い合った。


――目指すは全国制覇だ。BLASTの名を全国に広めるぞ。


あの時は希望に満ちあふれていた。

例え無謀だと分かっていてもイツキとおれは決して夢を諦めずに、ここまで一緒に信じてやってきた。

そのかいがあって、BLASTは今じゃ関東制覇だ。

卒業まであと残りわずかしかないが、おれは今のBLASTなら全国制覇も夢じゃないと密かに野心を抱いている。


「覚えてるに決まってんだろ。それがどうかしたのか?」


イツキの表情が曇る。

おれはなんとなく嫌な予感がした。

長い間。


「…悪い」


イツキは呟くように言った。


「約束守れそうにない」


おれは眉をひそめる。


「…それどういう意味だよ」


また、間。

イツキと目が合った。

それは先ほど見せた時と同じ、なにかを訴えるような目。


「…黙ってねえで言えよ。言葉に出さなきゃ伝わるもんも伝わらねえんだぞ」


そう言うと、イツキは微笑を浮かべた。


「そうだな。お前の言うとおりだ」