「所詮、世間からはぐれた人たちが集まって一般人に迷惑かけてるだけ。あの人たちがやっていることは無意味なのよ」

「……」


ジュンの言っていたとおりだった。

この人はあたしたちをよく思っていない。


「イツキもどうかしてる」


外で屯している彼らを見下すように、彼女は言った。


「あんなゴミみたいな人たちと付き合っているなんて、イツキの気が知れな―――」


パチン、と頬の当たる音が部屋中に響いた。

驚いた由希が楓を見上げる。


「何するのよ!」


思いっきり彼女の頬を叩いたせいか右手はジンジンとしびれていた。


「それはこっちの台詞よ…」


楓は怒りで体の震えが止まらない。


「何も知らないくせにBLASTのこと悪く言わないで!」


――ここは俺らの唯一の主張の場だ。普段は誰も俺らの言うことなんか聞いちゃくれない。


「そりゃあ、あたしだって時々理解できない時だってあるよ。でも…」


――だから俺らはここで叫ぶ。


「でもガヤも、テツもタクマもカズも、イツキさんもみんな一生懸命生きてるんだから!」


――風を感じて自由に突っ走るほど、気持ちのいいものはないよ。


「BLASTをばかにしないでよ!」