B L A S T


翌日、学校帰りに楓はガヤと一緒にプレハブに向かった。

どうして昨日の集会を中止にしたのかをイツキに問いただすためだ。

薄暗い闇の中、プレハブの二階の電気が点いている。


「今日は来てるみてえだな」


さっそくガヤは階段を駆け上がる。

楓も慌ててその後を追った。

すると部屋の方から声が聞こえドアの前で止まった。

耳を澄ますと、それは女の人の声だ。

思わずガヤと楓はお互いを見合わせた。

聞いたことのあるその声は恐らく由希さんの声だった。

ドアの向こうに只ならぬ気配を感じる。

時折イツキの声も聞こえ、その口調は彼にしては珍しく激しく由希と何かを言い争っているようだった。

止めに入ったほうがいいのだろうか。

だんだんと激しくなる言い争いに、どうしたものかと悩んでいると、先にドアノブに手をかけたのはガヤだった。

その時だ。

ドアが勢いよく開いた。


「イツキ!?」


――えっ。

楓は目を丸くした。


「どうしたんだよ、それ!?」


目の前にいたのは金髪の男だった。

電気の光に反射して光る金色。

その男がイツキだと気が付くまでに、彼は何事もなかったかのように楓とガヤの前を通り過ぎ階段を下りていってしまった。


「おい待てよ!イツキ!」


ガヤが慌てて彼の後を追いかける。

とたんに辺りが静まり返る。

プレハブに取り残されたのは楓と、赤いソファーに座って頭を抱えていた由希だけだった。