――ねえ、イツキ。 あたしはあなたが 少しずつ心開いてくれるのを ずっと待っていた。 だからあなたが笑っていると すごく嬉しかった。 でも、結局それだけ。 あたしは待っているだけで あなたのことを分かろうとしなかった。 目の前の幸せにとらわれて あたしは あなたの心の奥に潜んでいた哀しみに 気付いてあげることができなかった。 ゆっくりと。 ゆっくりとその時はやってくるのに あたしはただ恋に 溺れていただけだったんだ…。 ―――― ―――――――