B L A S T


それからどのぐらい時間が過ぎたのか。

車の外は見たことのない景色が広がっていた。

右を見ても工場。
左を見ても工場。

煙突の煙で空が灰色に染まっている。

荒れた大地。
寂れたフェンス。

人は見当たらない。

カラスがごみ置き場を漁っているだけ。

まるで街全体が生気を失っているように思えた。

同じ都市の東と西というだけでこんなにも違いが出るものだろうか。


「ここだ。女、降りろ」


やっと着いたその場所は廃墟になった学校らしき建物だった。

校門を鎖で繋げて"立ち入り禁止"の看板が掛けられている。

タクマとカズは正門からではなく、裏に回った。

そこで楓は驚いた。

裏門の前で複数の男がしゃがんでこちらを睨んでいる。

赤に茶に、金髪。
銀髪もいる。

オールバック。
モヒカン。

サングラス。
大きなマスク。

煙草に刺青。

いかにもな人たちが揃って近づいてくるなオーラを醸し出している――――――

と思っていたのは楓だけで。

ひとりの男が勢いよく立ち上がり、大声で叫んだ。


「おら、お前らどけ。タクマさんとカズさんのお帰りだ」


すると鶴の一声とはまさしくこのこと。

一斉に人が裏門の端に寄ったと同時に中央に道が開いた。

呆気にとられたというべきか。

昔見たことある極道の映画の世界とまるで一緒だった。