B L A S T


BLASTのためだと言われて納得できるわけがなかった。

これだから暴走族は好きじゃない。

なんでも暴力で解決できると思ったら大間違いだ。


「でも喧嘩はよくないです!」


楓の強情な態度に、カズが呆れたようにため息を漏らす。


「これだから女は面倒臭え」


ムカッ。

それはこっちのセリフだ。

今もイツキにすがる彼らのほうが見ていて面倒臭い。


「もういい加減にしたらどうですか。イツキさん嫌がってるじゃないですか」

「うるせえ!女が口出しすんなって言ったろ」


またも、ムカッ。

前からうすうす気付いてはいたけれど、カズはどうも女に対して軽視しているようだ。

なんだか無性にイライラする。

楓はぽつり、と呟いた。


「―――なし」

「あ?」

「意気地なし!」


一瞬にして車内の空気が張りつめる。

隣ではイツキが目を丸くしていた。


「…今何つった。女」


カズの鋭い視線がゆっくりと楓を捉える。

口に出してしまった以上引き下がれない。

もうなるようになれだ!


「意気地なしって言ったんです!」

「――んだと」

「人をアテにしないで自分がやったらいいじゃないですか」

「おい女、どの口がほざいてやがる。人をまとめるっつーのはな、そんなに簡単なことじゃねえんだよ」

「そんなの言い訳です。自信がないだけでしょ」

「てめえッ…!」


カズの大きな目がさらに開かれる。