「…楓さん、大丈夫?」
いつの間にかジュンがそばに寄っていた。
楓は小さく頷く。
本当は大丈夫じゃないけれど、いつまでも落ち込んでいられない。
…もうガヤのことは放っておこう。
「あっそうだ。これ」
楓は思い出したようにジュンにネックレスを手渡した。
「一兄直してくれたんだ!ありがとう!」
とジュンは嬉しそうに笑みをこぼした。
ネックレスを手に持って無邪気にはしゃぐ様はまるで小さな少年みたいだ。
ガヤもジュンみたいに素直だったらよかったのに。
自然とため息が出る。
だめだ。
考えたくないのに、ついついガヤの顔が思い浮かんでしまう
すると見かねたジュンが明るく振る舞って言った。
「大丈夫だよ」
えっ、と楓は目を向ける。
「大丈夫。一兄と彬兄は必ず仲直りするよ。だって二人は強い絆で結ばれてるから」
「…絆?」
「ほら、これ」
チャリッ、と金属音が鳴った。
ジュンの胸元でそれは銀色に光っている。
「このネックレスはね、僕らの友情の証なんだ。どうして二人は今でもこのネックレスを身につけているんだと思う?」
「それは――」
考えるまでもなかった。
本当にお互いを嫌っていたら同じネックレスを肌身離さず持っているはずがない。
「ねっ。だから大丈夫。僕は二人を信じてるよ」
にひひ、と屈託なく笑うジュンの顔を見ているとさっきまでの沈んでいた気持ちが少しだけ晴れた気がした。

