「サラダボウル、取るよ」

私の頭上から、棚のボウルへと手を伸ばす。

かなり身長差があるためか、背後からすっぽり覆われる感じで、ドキドキが激しくなった。

うかされたように、体が熱くなる。



このまま。



抱きしめてくれたらいいのに。



頬に触りそうな長い腕。

そのまま下ろして、触れてほしい。

その腕で。

その体で。

その唇で。

カアッと頬がほてる。

「ミコ?」

いつの間にか、ボールを取った蓮くんが、不思議そうに私を見ていた。

「顔赤いよ。熱でもあるの?」

「な、ないよ!」

プルプルと首を振り、野菜を洗うフリして、体を冷やす。