一目で気付いた。


吉仲真由は、


一晩中蓮くんと一緒にいたんだって。


細い体に不釣り合いな、蓮くんのカーディガンがそれを主張していた。

心臓が跳ねあがり、うるさく鳴り響く。

見開いた目を、彼女から離せない。


吉仲真由は、わたしに視線をあて、意味ありげに微笑むと、カーディガンの袖口を引いた。

「蓮」

呼び慣れた口調で名前を呼ぶ。

綺麗に正した姿勢で細い足を運び、わたしの知らない二人の距離を誇示するように、蓮くんの肩に触れた。

「先に行くわね」