蓮くんがいつの間にか、変わってしまったように、

わたしの中でも変化はおきていた。



「シチューだね」

IHプレートの上で冷えた鍋を開ける。

ころころと大きめの野菜の入った白いスープは、少し凝固していて、玉ジャクシが回りにくい。

「ミコ、牛乳足さないと焦げるよ」

言いながら、蓮くんは冷蔵庫を開けた。

牛乳パックを取り出し、私に渡す。

受け取りながら

「サラダ作ろうよ。蓮くん野菜出して」

そう言うと、蓮くんは野菜室を開け、レタスとキュウリとトマトをまな板の横に置いた。

IHのスイッチを切って、流しに立つ。

トマトを洗っていると、

「!」

不意に蓮くんが、背後に立った。

びくんっと心臓が跳びはねる。

熱が伝わりそうに近い距離。

神経が背中に集中した。