「なんで泣いてるの?」
突然聞こえた声に、慌てて涙を拭い、顔をあげた。
「佐和、ミコトちゃんだよね?」
「…………」
つんつんと黒い髪を立てた、男の子が目の前に立っていた。
鞄を脇に挟み、ネクタイを緩めて制服を気崩している。
それが妙に似合うのは彼のやんちゃそうな顔立ちのせいかもしれない。
黒い切れ長の目を細めて彼はにっこりと笑った。
「どうかしたの?」
軽く首を傾げて、わたしへ足を踏み出す。
それを視界にとらえて、わたしは一歩後ろに下がった。
「あれ?」
きょとんと彼がわたしを見る。
「佐和ちゃんなんか警戒してる?もしかして俺のこと知らない……かな?」
突然聞こえた声に、慌てて涙を拭い、顔をあげた。
「佐和、ミコトちゃんだよね?」
「…………」
つんつんと黒い髪を立てた、男の子が目の前に立っていた。
鞄を脇に挟み、ネクタイを緩めて制服を気崩している。
それが妙に似合うのは彼のやんちゃそうな顔立ちのせいかもしれない。
黒い切れ長の目を細めて彼はにっこりと笑った。
「どうかしたの?」
軽く首を傾げて、わたしへ足を踏み出す。
それを視界にとらえて、わたしは一歩後ろに下がった。
「あれ?」
きょとんと彼がわたしを見る。
「佐和ちゃんなんか警戒してる?もしかして俺のこと知らない……かな?」