女子高生が一人暮らしするには、およそ似つかわしくない、高級マンションの三階。

1番奥の真由の部屋のドアは、合い鍵を使うまでもなく、するりと開いた。

入ってすぐのバスルームにだけ、主張するように明かりが灯っている。

ドアを開けると薄いスリップドレス一枚の真由が俯き、幼女のように足を開いてぺたんと座っていた。

足の間に投げ出された白い左腕の腹に、赤い傷が二本鮮やかに線を描いている。

白いサテン生地に、血液が吸い込まれ、染みを作っていた。

すぐ横に、濡れたカッターが転がっているのを確認して、俺は真由の前にひざまづいた。