バイブ音が響き、メールの着信を知らせるランプが点滅した。

モノトーンの味気ないベッドに横たわったまま、サイドボードの携帯から目を逸らす。

左腕で顔を覆い、視界を閉ざした。



狂いそうなくらい、

鮮明に。

ミコトの温もりが蘇る。



抱きしめても

唇を重ねても、


心は満たされなかった。


むしろ


禁じられた楽園の果実をかじってしまったように



絶望的な飢えに


消えない渇望感に



苛まれただけだ。