どうして

あんなことしてしまったのか、自分でもよくわからない。

吉仲真由の剥げた口紅が、

蓮くんの距離を作るような微笑みが、


わたしを狂わせた。


とられたくない。


どうしようもない、子供みたいな独占欲で、

唇を重ねた。


わたしは吉仲真由と同じことがしたかった。


違う。


むしろ、いやらしいくらい、それ以上を望んでた。

蓮くんは

どうして突き放さず、応えてくれたの?


あんな風に、

嵐みたいなキスされたのに

蓮くんの真意はよくわからない。