ぴちゃんと、シャワーヘッドから、漏れた水がタイルに滴り落ちた。

八分目までお湯を溜めたバスタブから、湯気が白く立ちのぼる。

キュッと手の平で鏡の曇りを拭い去り、不鮮明に映った自分をぼんやり見つめる。


そっと指を唇にあてた。


ゆっくりなぞるように動かしながら、アップして現わになった首筋へと滑らせていく。

蓮くんに触れられた箇所が、火傷みたいに熱を帯びている。

甘く強引な唇の感触が蘇って、体温が上昇した。


身体のほてりをクールダウンしたくて

カランをまわし、冷ためのシャワーを頭からかけた。