不意に

電車の到着を告げるアナウンスが流れ、ベルが鳴り響いた。


「じゃあ、行くから。ゴールデンウイークには帰るよ」


指が解けて。

蓮くんが離れていく

「蓮くん!!」


ふと、寂しさが込み上げて、わたしは蓮くんを呼びとめた。

蓮くんが振り返る。

瞬きする間もないほどの早さで、わたしは彼の腕の中に抱きしめられた。

「離れても、変わらないよね? 」

涙声で尋ねる。

わたしを抱きしめる蓮くんの手に力がこもった。

「変わらないよ。一生」

見上げるわたしにキスを落とし、蓮くんは微笑んだ。

「何があっても、どこにいても、キミが好きだよ」