「時田くん蓮くんに会うの楽しみにしてるらしいよ。
メールに書いてた」

「あいつは心にないことを書くのが得意だからね」

溜息をつく蓮くんの腕に頬を寄せわたしは笑った。


――時田くんは

あの後すぐにK大の付属高校に編入した。

彼はそのままエスカレーター式に大学に入ったので、蓮くんとはまた同じ学校の同級生になる。

「吉仲先輩も元気だって。
毎日大学のサークルで忙しくしてて、相手してもらえないみたい」

吉仲先輩も、時田くんと同じ時期に学校を移った。

K大近くの女子校を卒業し、現在は附属の女子大に通っている。

二人は学校近くで一緒に暮らしていて、

時田くんは

「姉弟だから、別に問題ないよね」

と、しれっとしていた。

「ミコは入学式いつだっけ?」

「4月10日だよ」

――わたしは

今年の春

地元のデザイン専門学校に進学していた。