俺はミコトの頬に手をあてると、唇を離した。

振り切るように、胸の中に抱きしめる。

息を乱しながら、ミコトはぐったりと寄り掛かって来た。

床に座り込み、立てた膝の間にミコトを引き寄せる。

早鐘のような心臓の音が、重なり合い混ざり合った。


「………」



ミコトが胸で身じろぎした。

潤んだ瞳が、俺を見上げる。

柔らかな頬に張り付いた髪を払いすきあげると、滑らかな白い首筋が覗いた。