そっと病室のドアを開ける。


真由は白いベッドで点滴に繋がれ眠っていた。


ゆっくりと近付きベッドサイドのパイプ椅子に座る。

暴れたせいか、グルグルと巻かれた包帯で点滴の針が固定されていた。

細い手に触れる。

ぴくりと

真由の重い睫毛が震え

何度か瞬きを繰り返した後、真由はゆっくり目を開けた。

「……………」

夢の続きを見ているように、真由はぼんやり俺を見た。

「………一樹」

真由の指が俺の手を握り返す。

「真由?」

一瞬、沸き上がった俺の期待は、真由の次の言葉に打ち砕かれた。