乱暴に教室のドアを開け、足を踏み入れた途端、

ミコトに寄り掛かる時田の姿が目に飛び込んで来た。

二人が離れ、振り返る。

乱れたミコトの胸元が視界を掠め、カッと頭に血が昇った。

「時田あああああ!!」

駆け寄って、時田の襟首を掴み上げる。

「蓮くんっ」

慌てたようにミコトが俺の腕に飛び付いた。

「大丈夫、大丈夫だから」

訴えるミコトから、時田に視線を移す。

時田の頬を流れる涙に気付いて、俺は息を飲み、ゆっくりと手を離した。

時田が、そのまま床に力無く座りこむ。

「………」

俺は、高ぶった感情を抑えこむように、大きく息を吐き出すと

うなだれる時田を見下ろした。