ミコトの手が首に回る。

押し付けられた唇の柔らかさに目眩がした。



……ダメだ。



心が警鐘を鳴らす。



……ダメ、だ。



突き放さなければ。

理性が飛んでしまう。

分かっているのに。

その甘さから逃れられない。

冷静な判断は出来なくなっていた。


ずっと押し殺していた欲望が、溢れ出して歯止めがきかない。

無意識に、手が細い体に回る。

強く抱き寄せて、唇を深めた。

「…んっ…」

固く閉じたミコトの睫毛が震える。

愛しさで堪らなくなって、目を伏せた。