病院の自動ドアを通りぬける。

雨はドシャ降りで。

俺は傘を指さないまま、外へ出た。

俺に母親を責める資格はない。

真由を死に追い込んだのは間違いなく俺だ。


「……最低、だな」

引き攣った笑いを浮かべ、濡れて張り付く髪をかきあげた。

「…っふ……」

堪え切れない涙が雨と混ざって頬を伝う。



どうしてこんな風になってしまったのかな?


俺は

キミが好きで。

ただ、それだけだったのに。