「はい?」

そう言った途端、

「あなた浅倉くんね!?」

聞き覚えのない女の声がした。

「……そうですけど?」

訝しみながら答えると、彼女はまくし立てるように続けた。

「真由の部屋に鍵がかかってたの!
おかしいと思ってたのよ?
呼んでも返事しないし! 
だから無理矢理鍵をあけたの!
そしたら、あの子が!」

「落ち着いて下さい!
真由のお母さんですよね?
真由になにかあったんですか?」

「浅倉!貸せ!」

時田が飛び付くように俺から携帯を取り上げた。

「母さん俺!真由がなに!?何があった!?」

たたき付けるように叫ぶ。

しばらくの沈黙の後、時田は青ざめた顔で俺を振り返った。