「私はもう大丈夫だから。
ここにはもう来ないで」

ようやくそう告げれたのは一昨日の夜。

「真由?」

戸惑う彼に、私は笑顔を作った。

「そんな顔しなくても。本当に平気よ。
お母さんが心配して明日から来てくれることになったの」

「……でも、真由の母親は」

「久しぶりに話したらね。
すごく優しくしてくれた。
私の身体のことばっかり気遣ってくれたわ」

精一杯の嘘。

「だから
蓮は佐和さんのところに帰っていいよ」

蓮は優しい。

優しいからこそ、ずっと私を突き放せず、苦しんでいる。

だから、解放してあげる。

あなたは戻って?

痛いくらい真っ直ぐに見つめている、幼なじみの女の子のもとへ―…