俯きがちにペコペコとアルミ缶をへこませながら、藤平くんは続けた。

「浅倉くんも、かな?
なんか二人の空気が、他人は立ち入れないっていうか。
特別な感じがしたんだ。
変な言い方だけど」

藤平くんが顔を上げる。

「なんで、時田くんと付き合ってるのかは知らないけど。
やっぱり不自然だよ。
無理とかしないでさ。
自分の気持ちに正直になったほうがいいと思うな。
俺、佐和さんには幸せになってほしいからさ
……って、余計なお世話だよね?ごめん」

顔をしかめて頬をかく彼に、わたしはクスクス笑い首を振った。

ありがとう

そう言いかけた時、

「もう遅いんじゃない?」

不意に聞こえた冷たい声にわたしたちは顔を向けた。