「どういうこと?」

呟くような声に顔を上げる。

複雑な表情をしたアヤが俺を見ていた。

「吉仲先輩と姉弟なの?
だって、………一樹と彼女は………」

「…………」

俺は何も答えず、アヤを残して歩き出した。


階段を昇り、いつもの屋上へと出る。

咳込みながらフェンスに背をつけ、ズルズルと座り込み、腕で顔を覆った。