ただ、キミが好き

ちゃんと考えてみようかな。

成りたいこと。遣りたいこと。

自分の力でしっかり立つには、目標が必要だもの。


コンコンと軽いノック音が響いた。

「すみません。生徒会から明日の注意事項の確認です」

その声にぴくんと反応して教室の入口に目を向ける。

蓮くんが開けっ放しのドアを通り、教壇に立った。

きゃあと、女の子の黄色い声が上がる。

蓮くんは無表情のまま眼鏡を上げ、教室を見渡した。

「まず開始時間の確認と終了時間の確認から、クラス委員は誰?」

「あ、はい」

藤平くんが手を挙げる。

「藤平、だっけ?
メモって」

蓮くんはバインダーを片手に手早く注意事項を読み上げると、

「運営規定に従い明日は頑張って下さい。
怪我、トラブル等のないようお願いします。
何かあったら、担任か、生徒会まで」

言い置いて、教壇を降りた。

ドアへ向かう途中で蓮くんは、ふと立ち止まり、振り返った。

さ迷わせた視線をわたしで止める。

微笑んだ顔が、少し窶れて見えて、わたしは思わず立ち上がった。