馬鹿みたいに見とれている自分に気付いて、わたしは赤くなって俯いた。

なんでかな。

ずっと小さい頃から一緒にいたのに。

最近隣に座ると、決まってソワソワしてしまう。

たまに、じっと見つめられると落ち着かなくなって。

胸の奥がキュッと痛くなって、息苦しくなるんだ――…。



長い睫毛を伏せ、問題を目で追う蓮くんを、再びこっそり見上げる。

その横顔は、やっぱり綺麗で、

わたしは魔法にかかったみたいに、視線を外せなくなった。



「で、その時yは6だから答えは……」

不意に言葉を止めて、蓮くんが私を見た。

「ミコト聞いてる?」

訝しげに目を細め、首を傾げる。

色素の薄い、サラサラの前髪が、動きに合わせて左に流れていった。