ただ、キミが好き

「妊娠、検査薬?」

箱を拾い上げる。

パッケージは破かれ、中身は使用されたらしく、からっぽだった。

真由に視線を移そうとして、ベッドのすぐ近くに、パッケージの写真と同一のものが落ちていることに気付いた。

膝をおり、取り上げる。

白い体温計に似た形のそれは、小さな四角い窓が二つついており、検査を行うと中に青紫のラインが浮き出る仕組みになっていた。

「…………」

立ち上がり、無言のまま、真由へと歩み寄る。

彼女は青ざめた歪んだ顔で俺を見た。

「………蓮」

手を延ばししがみつく。

「助けて、蓮」

俺はベッドに座り震える彼女を支えるように抱き寄せた。