生徒会室。

銀のプレートに黒で彫り込まれた文字を見上げた。

鞄を胸に固く抱きしめる。

やっぱり帰ろう。こんなの、よくないよ。

頭ではそう思うのに、足は張り付いたみたいに動かなかった。

松田サンの言葉がいつまでも耳の奥でリフレインして離れない。

「浅倉くんと、二年の吉仲先輩。最近、夜二人で合ってるって、有名だよ? たぶん付き合ってるんじゃないかな」

イヤ、だ。

そんなの嫌。

考えるだけで、

苦しくてたまらなくて。

目を閉じる。