「雑談したいんなら、会議はやめましょうか?
文化祭予算案については、小林副会長に委任します。
お好きなようにどうぞ」

鋭く小林を睨み、背を向ける。

呼び止める声を無視して部屋を出た。

副会長と言う肩書以外は、なんの取り柄もなく、何事も人任せな無能の小林が、近いうちにパニックを起こすことは目に見えていた。

――だが。泣き付いて来たとこで、知ったことではない。

俺は携帯で時間を確認し、昇降口へ向った。

あれから2週間。

真由は一度も学校へ登校して来なかった。

家を訪れても、俺の言葉にはほとんど無反応で、

結局なにがあったのかは、分からず仕舞いだ。

情緒不安定な真由に決別を切り出すことは躊躇われて、俺は彼女と話を出来ないままでいる。

――そして

ミコトとの、立ち位置も未だ掴めず、次第に開いていく距離に焦りが募っていた。