「すいません。資料揃えてたんで遅れました」

大きなテーブルを囲んで座っていた、五名の生徒会役員たちが振り返る。

突き刺さるような、好奇じみた視線に気付かないふりをしながら、一人ずつに資料を渡して行った。

「去年の文化祭の収支を纏めたものです。それぞれのクラスの経費の内訳と、模擬店、バザーにおける利益を……」

配り終えて、淡々と話を進めていると、

「なあ、浅倉」

生徒副会長の小林がニヤついた顔で遮ってきた。

「吉仲会長はいつ学校出てくんの?」

「さあ。わかりませんね」

無表情に答える。

「知ってんでしょ?自殺にまで追い込んだ愛しの彼女だもんね?」

小林は尚も食い下がってきた。

俺は溜息をついて、資料を机に放り投げた。