内心舌打ちしたい気分だった。

アヤが騒いでた時点で、紗耶香にバレることは判ってはいたけれど。

「違うよ」

ニッコリと微笑む。

「吉仲先輩とは話したこともないもん」

「嘘。だって…」

「なに?昨日、途中で辞めたから怒ってんの?」

からかうように笑うと紗耶香は顔を赤くして、俺を睨んだ。

「違うわよっただ一樹が、あの女に騙されてるんじゃないかと思って。
一樹とエッチしといて浅倉くんを呼び出すような女だよ?
生徒会長なんて偉そうにしてるけど、絶対ロクな女じゃないよ」

「サーヤ。だから、違うって。
あの時一緒にいたのは吉仲先輩じゃないよ」

「じゃあ、誰なの?」

俺は溜息をついて立ち上がった。

制服についた砂埃を払う。

「俺、昨日から佐和ミコトと付き合ってんの」

「佐和、ミコト?」