後ろから聞こえた足音に、はっとして立ち止まった。

恐る恐る振り返る。

セーラー服の女の子が、時計を見ながら、小走りに脇をすり抜いていった。

人影の疎らな住宅街の道路の突き当たりを見つめ、

「馬鹿みたい」

呟いて、唇をゆがめた。



わたしは何を期待してたんだろう?

きっと蓮くんは追いかけて来てくれない。

さっきだって、目も合わせてくれなかった。


――嫌われた、のかもしれない。


あんな電話の切り方をしてしまったから。



蓮くんを引き止めようと

焦って、自分を見失って。

空回りしてる自分が情けなくて、涙が落ちた。