――お前がいなくなるまでに、何とかしてやれたらいいんだけどな

「……なんとか、って。なんだよ?」

一体、俺に何が出来る?

俺は守るふりをして、ミコトの自由を奪ってきた。

ミコトを独占したくて、狭い世界に閉じ込めた。


誰にも取られたくなかったから



高校を卒業すれば、俺達の進むべき道は確実に別れるのは分かっていた。

例え

俺達がいくら未来を約束したとしても、

それぞれの時間を越えなければ、そこにたどり着くことは出来ないことも。

今のままでいれば、

ミコトは未来を絶たれてしまう。

進むべき道を見失ってしまう。

何も得ることの叶わない、狭い世界の中に捕われたまま――。