玄関の戸押し開けると、最も見たくなかった、2ショットが立っていた。

「あ、おはよー浅倉っち。奇遇だね♪」

時田が大きく手を振る。

隣に立つミコトは青ざめたまま俯いていた。

「俺達今からラブラブ登校なんだよーん。邪魔しないでね?」

ふざけた口調で言って時田が歩きだす。

ミコトはオロオロと俺と時田を見比べ、泣きそうな顔で時田の後に続いた。

二人の間にはまだ微妙な距離が空いていたが、違和感があるほどではない。

胸が痛くて、二人の背中から目を伏せた。

ちょっと前まで

ミコトは男の側にすら近寄れなかった。

たった一日。

たった一日、目を離しただけで、

時田は確実にミコトを変えてしまった。