駅への到着を告げる、車内アナウンスに顔をあげる。

泣き笑いのような自分の顔が硝子に映った。


電光看板には

真由の住む町の、駅の名前。


ドアが開く。

吸い込まれるように降りそうになる足を、手摺りを掴んで、必死で止めた。

会ってはいけないとわかっているのに。

俺はなにをやっているんだろう?

「俺は、馬鹿か」

頭を手摺りに打ち付ける。

会いたい

会いたい

会いたい



でも、それは

許されない。