『浅倉くんとの別れ話が縺れて、吉仲先輩が衝動的にハサミで胸を傷つけたんだって』

『ふーん』

生返事をしながら、机に突っ伏す。

『アヤっぺ、俺眠いわ。一人にして』

そのまま顔を上げない俺に、アヤが文句を連ねる。

そのうち諦めたのか遠ざかっていく足音が聞こえた。


俺は机に頬を当てたまま目を開き、唇を噛んだ。


――あの、タイミングで浅倉が別れ話をしたとは考えにくい。

浅倉が走り出して行った時間から考えても


真由の自殺未遂の原因は、

たぶん、俺だ。