「昨日、なんで来なかったの?」

刺すような瞳。

俺は避けるように顔を反らした。

「行くとは言ってません」

「来てって言ったわ」

口調は静かでも、明らかに刺が含まれている。

でも正直、

責められることをした罪悪感は、一切なかった。

「俺にも優先したいことがあるんで」

「あの、幼なじみの子?」

「…………」

俺は黙って眉をしかめた。

その反応に、真由がはっとして、口を押さえる。

「ごめんなさい」

ミコトの話を出すのは、タブーだと、真由も気付いているのだ。

暗黙の了解のうちに、俺達はミコトの話題を避けてきた。

ミコトは誰にも触れられたくない、俺の中の禁域だから。