トントンと、生徒会室のドアをノックする。

返事はないが、俺は構わずノブを回した。

居ても居なくても、反応がないのはいつものことだ。

「失礼します。浅倉です」

部屋の中は電気がついておらず、薄暗かった。

大きな木の机の奥。

薄いカーテンを引いた窓際に、吉仲真由が一人で立っていた。

「会議、じゃなかったんですか?」

ドアを閉め、腕を組んでもたれる。

「分かってて、来たんでしょ?」

言いながら、真由はゆっくりとふりかえった。