一度だけ。


蓮くんは、わたしの知っている蓮くんでなくなった。


もしかしたら


あの日から、わたしたちの関係は変わってしまったのかもしれない。


ゆっくりと。


でも、確実に。



「じゃあ、佐和さんとただの幼なじみってことは。あの噂、本当なのかな?」

「噂?」

森崎サンの言葉に、わたしは首を傾げた。

松田サンが

「知らないの?」

と、意外そうな顔をした。

続けて、飛び出した言葉に、

わたしは

いきなり暗闇に突き落とされたみたいに


五感を失った。