「大嫌い」

最後にぶつけた言葉は嘘じゃない。

私は小さいときから一樹が嫌いだった。

一樹が産まれて以来、男の子を望んでいた両親の関心は全て彼に向いてしまった。

私は、一人子供部屋に放り出され、見向きもされなくなった。

小さな身体を抱き上げてもらえる、彼の特権が羨ましかった。

小児喘息で、しょっちゅう発作をおこし母の気を引く彼に嫉妬していた。



ドウシテ


ドウシテ


ドウシテイツモ


一樹ダケ?