ただ、キミが好き

「…分かってるよ」

溜息と共に吐き出す。

分かっている。

分かってるんだ。

俺の存在は真由に邪魔にしかならない。

きっと俺は

彼女の幸せを願いながら、

彼女の幸せを潰してしまうから。

本当は

誰にも

奪われたくない。

誰にも

触れさせたくない。


それでも

俺は結局は弟でしかなくて。

彼女を

――見つめることすら、許されてはいないから。


「真由?」

真由の肩が震えていることに気付き、手を伸ばす。

「いやっ! 触らないでっ」

触れかけた瞬間、手で強く弾かれた。

真由は机の向こう側に回り込み、逆毛を立てた気位の高い猫のように全身で俺を拒絶した。

「…は」

浅く笑い、顔に手をあてる。

「えらく、嫌われたもんだな」

小さく口の中で呟き、机に腰掛けると、力無くだらんとうなだれた。

――もう無理だ。

窒素しそうに息苦しくて、シャツの胸元を握りしめる。


もう、これ以上


―――限界、だ。