「一樹?」
動きを止めた俺を訝るように、紗耶香が顔をあげた。
「悪い。やっぱやめとくわ」
俺は彼女から顔を逸らし立ち上がった。
乱れた制服はそのままに、ステンレス製のドアから校内に入る。
「ちょっ、待ってよ一樹ぃ! どうしたのぉ!?」
紗耶香の怒鳴り声が追って来たが、振り返らないまま階段を降りた。
三階の踊り場を曲がり、半分まで階段を降りたところで俺ははっとして足を止めた。
階下から響く、聞き慣れた小さな足音。
手摺りに手を置き見下ろすと、二階の踊り場から階段を登って来る艶やかな黒髪が見えた。
綺麗に延びた背筋、細い手足。
俺の視線に気付き、真由は立ち止まり顔をあげた。
目が合う。
まるでその一瞬で石にされたように、俺は動けなくなった。
動きを止めた俺を訝るように、紗耶香が顔をあげた。
「悪い。やっぱやめとくわ」
俺は彼女から顔を逸らし立ち上がった。
乱れた制服はそのままに、ステンレス製のドアから校内に入る。
「ちょっ、待ってよ一樹ぃ! どうしたのぉ!?」
紗耶香の怒鳴り声が追って来たが、振り返らないまま階段を降りた。
三階の踊り場を曲がり、半分まで階段を降りたところで俺ははっとして足を止めた。
階下から響く、聞き慣れた小さな足音。
手摺りに手を置き見下ろすと、二階の踊り場から階段を登って来る艶やかな黒髪が見えた。
綺麗に延びた背筋、細い手足。
俺の視線に気付き、真由は立ち止まり顔をあげた。
目が合う。
まるでその一瞬で石にされたように、俺は動けなくなった。


