「あ、ごめ…」

慌てて引っ込めかけた手を、強く握りしめられ、驚きに顔を上げた。

切なげに細められた瞳。

そのまま

蓮くんはわたしを引き寄せ、抱きしめた。


心臓が

きゅっとしなって胸が苦しい。

頬から伝わる蓮くんの鼓動も、少し早くて。

私は目を閉じ、腕を背中に回した。



ねぇ蓮くん

自惚れてもいいのかな?

蓮くんもわたしを意識してくれてる?


もしかしたら


わたしが臆病なだけで

「好き」と伝えれば



貴方は


受け入れてくれるの?