唇を首筋に押し付ける。

びくりと真由の身体が跳ねた。

「やめて…やめて一樹!」

どんなに押し戻されても、俺は真由を抱きしめた手を離さなかった。

無理やりにキスを重ね、

洋服の中へ手を滑り込ませた。

「いや! 一樹っ!」

真由の泣き声も、

背中を叩く弱々しい手も、

気持ちを昂らせるだけで、歯止めにはならなくて。

傷の痛みに、

血の繋がった弟に犯される恐怖に、

歪んだ真由の顔から目を背けたまま、強引に身体を繋げた。


誰よりも

一番大切な人を

思いやる余裕もなく、

最低なやり方で傷つけて、

それでも俺は

後悔していなかった。