俺が初めて真由と禁忌を侵したのは

中2の冬だった。

母親が男と暮らし始め、一人広いマンションに取り残された真由は、電話にもほとんど出ず、俺は不安を募らせていた。

電車で40分。

そんなに離れた距離ではないかもしれない。

それでも

中学生の限られた時間の中では、頻繁に会うことは不可能に近かった。

――だけど

会いたくて。

その日電車に飛び乗ったのは偶然だったのか?

それとも

断ち切れない、血の繋がりが無意識のうちにそうさせたのか?

後者なら、

俺達の運命はあの時から呪われていたのかもしれない――。